ラヴリー・リタ : ジェシカ・ハウスナー

あたしにはなんにも起こらない!っていうどん詰まり感は鬼気迫るものがあります。というか、それでも彼女には鬼気も危機もなんにも迫ってこないのがいちばんの問題なのか。なんとなく、中学校のときの体育の授業で、バスケットボールをしていて突き指をしながらもボールを奪ってシュートを決めて、ふと気付いたら指がぐにゃぐにゃあらぬ方向に曲がっていた日の気持ちを思い出しました。女の子らしく叫び声とかいまさらあげられないし、なんて云いだしたらいいかわからなくて、コート脇にいる先生のとこまでてくてく歩いていって「指が曲がりました」って報告して青ざめられたときの。まあ、なんていうか、照れ屋さんなんだよね、ラヴリー・リタ(よしよし)。
なにかを想う女の子の数だけ映画があって然るべきだし、ぜんぜんオッケーお願いいくらでも続けてよ、と真剣に思うけれど、でもなぜこの映画にばっかりとつぜん女の子文化人レコメンドが集結したのかって、観終わったときにまっさきにその疑問がわいてしまう。冷静になればシマッタそおいう宣伝方針だったか!と気付けるし、鑑賞に至らせる宣伝というのはやっぱり正解ではあるとは思うのだけれど、そればかりを素直に抱えて、てくてくレイトショーを観にいった女の子ふたりがちょっと混乱したのは事実なのです。うーん、観て良かったのでいいんだけど。
ええっと、わたしまだ大丈夫かもって思えるくらい立派なクマをお持ちのチャーミングな主人公とふわふわ砂糖菓子みたいにドリーミンなお友だちの女の子をそのまんま使って、フランチェスカ・リア ブロックの「ヴァイオレット&クレア」を映画化したらいいのにと思いました。だって妖精さんみたいなお友だち萌えなんだもん。
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