2008-01-01から1年間の記事一覧

次元爆弾:森本晃司

20分間の濃密デート。それまでのフィルムとはまるっきり違う劇場空間占有だった。とろんとしたゼリーの中に腰からゆっくり沈んでくみたいな感覚、視界には冬の澄んだ空気の清々しさが広がっていて、光と音と記憶が冷たいプリズムの中で乱反射する。観ている…

スカイクロラ:押井守

やっぱりいつもの押井さんだった! けど情愛表現に関してはとっても不満だよ。 凛子さんの声は身体にあってないけど、そこが人形っぽくていい。 木偶っぽい。エンドロール後のシーンはちょっと蛇足なんじゃないかと思われた。蛇の道は蛇だけど。

デトロイト・メタル・シティ:李闘士男

一瞬、松山くんの前髪が乱れるときがあって、そのときだけどっきーんってした。 あとは漫画以上ではなかったのであった。ただ街中で聞いた女子の会話が面白かった。「デトロイトメタルシティって面白いらしいよ。観に行こうよ」 「えー、松山くんのヤツ?」 …

ダークナイト:クリストファー・ノーラン

良いハリウッド! だった! (良いハリウッドは映画館から出てくるときに自分が超人になったような気持ちになります。ゴミ箱を蹴り飛ばしたくなります) いちばん好きなところは「俺の真似をするな」ってところ! あと女の子の気持ちを読み間違っちゃうとこ…

セックス・アンド・ザ・シティ:マイケル・パトリック・キング

キャリーは相変わらずひどい感じでしたがでもほんと気持ちはわかるよ。とりあえずウェディングドレスいっぱいきたい気分になりました。「SATCをください」ってパンフ売り場で聞いて、そうか、タイトル恥ずかしくて言えないひとはふつうにけっこういるのね。…

崖の上のポニョ:宮崎駿

こころの底から楽しみにしていたポニョ! ポニョ! ポニョ! 徹頭徹尾幸せにみちみちたフィルムでありました。 ひどいなあ、ずっとずっと泣いちゃうに決まっているじゃないか。神は細部に宿るというけれど、もうほんとすごい精度だと思う。 「千と千尋」の大…

マイ・ブルーベリー・ナイツ:ウォン・カーウァイ

初日に観ました。 香港から湿気をとったら蜃気楼が消えちゃった、みたいな喪失はあるのだけれど、だからこそカーウァイのドリーミンさが浮き彫りになってもいて、それはまさにすいーつ。この星にはいろいろなひとがいてみんな好き勝手に生きているよねってい…

いんでぃごなむーど

■1月のニブロールの公演後のポストトークで 「ものごとを思い出として歪めないであったことをあったままそのまま覚えていたい」 というような内容のはなしがでていたのだけれども、「それはまったくもってそのとおりである、というかずっとそう思い詰めて生…

非現実の王国で ヘンリー・ダーガーの謎 : ジェシカ・ユー

数少ない顔見知りのひとびとの証言からなる ダーガー(ダージャァ)人物像録と ヴィヴィアンガールズの物語の混濁。せつない、と感じながらも、他者の視線によって象られるひとのかたちについてしばらく考えた。さてしかしさて、ダーガー柄のシフォンスカー…