旅 「ここではないどこか」を生きるための10のレッスン

「ここではないどこか」というのほんとうにだいっきらいで(ここではないどこかなどない! なかのひとなどいない! )、愛の創作プレゼントにも「どこまでもゆく、ここではないどこかなど目指さないけれど」だとかコピーを打つくらいなのでそれはこれからもそうそう変わらないとは思うのだけれども、それでも廊下をダッシュしながら目の端で視れたらいいなの小野博さんのWhen Tomorrow Comesや、どこかへなにかがおともしていく瀧口修造さんのリバティ・パスポート、むしろハピネス(の二者択一)なのでは? と思うビル・ヴィオラさんの十字架の聖ヨハネの部屋などなどと、この展示されているもの自体は気持ち良かったです。雄川愛さんのNew Worldも、少人数ずつ観覧する形式で人が並んでいたりするにもかかわらず、何度も覗いてしまいました。強い強い白い光が溢れる階段の天辺のその先へのものすごい期待感。まさに愛と勇気の大冒険を想って、いまにも吸い込まれそうでゾクゾクしたのだけれど、あとで解説を読んだら“いつか行ってみたいけれど「絶対に行けない場所」”“永遠の「途中」としての階段”などとあって、わかるけどわかるけど、ちょっとしょんぼり。わたしは、そこへ行きたいし、行く、と想えたのにな。
http://www.momat.go.jp/Honkan/traveling