ロスト・イン・トランスレーション : ソフィア・コッポラ

わかりあおうとしてる? してない? だってどっちみちわかりあえない、でもできればわかりあいたい!の堂々巡り。伝えようとするといっつもバカを見るよねって疲労、それを浮き彫りにする異国という舞台。言葉が通じても通じなくても孤独、ロスト・イン・トランスレーション、すべてがけっきょくタイトルに帰って来るという秀逸ね。
にしても、渋谷の真ん中で観るにはちょっと複雑な映画であることは確か。そして、わたしは観客の男の人のたてるあの積極的な笑い声がだいきらいよ(そもそも笑いすぎ! なに視点で観るとそんなに笑えるのか!)。女の子だったら可笑しいところはふたりのひみつ、くすくす小さく笑い合うだけなのにな。
重ならないいくつかの夜の、肩や足首に触れた手の感触にゾクリとしました。そこからなにかを交換しているような、うつくしい交流。この関係に名前なんてつかなくとも。
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