式日 : 庵野秀明

すきなひと。したいこと。こうあってほしいと思うこと。こうあればよかったと思うこと。願い。諦め。後悔。戒め。逃避? 自分のそとで起こることはどうしてもコントロールできなくて、しかたがないからぐちゃぐちゃをあしもとにしまい込んで、叶うかもしれない世界のはじまりを生き続ける女の子の物語。
そもそも乙女の祈りというものは往々にしてどうしても強迫じみてしまうものだけれど(そして叶わない祈りは呪いとして我が身へ)、だからといってそれは男の子の返事という返事がいつもただの返事でしかないことの理由にはならないわ。「(わたしが祈らなくても)それが、向こうから、やってきてくれれば良いのにね」という完全なる成就をいままでにどれだけの女の子たちがどれだけの強さで祈ってきたか、挫けてループにのまれてきたか。たとえ、嘘でもいい加減にでも、あんな正解を云ってもらえたなら、どんな窓も開けられる気がするよ。陳腐なことはわかっていても、現実に降ってくるドラマはいつだってそういった類のものであり、それに苦い顔をし続けたところで、そこで得てしまう暖かさには、どうせ、かなわないのだから。
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