ダブルダウン勘繰郎 : 西尾維新

勘繰郎は見得を切って切って切りまくる。その姿勢にはの少なくはない共感とリスペクトを贈ってあげたいけれどもでも、ほんとうはそんな想いには耐えられないくらいの小さな肩だったのね。だから、より格好良いほうへより素敵なほうへ、駆けてゆくには身軽な恰好で! 若者は風を切ってゆく、でもずっしり重いものをいっぱいぶらさげた大人たちだってきっと捨てたものではないし、胸のあたりにぽっかり空いた穴が勲章に見えることだって、もしかしたら、あるのよ。