デトロイト・メタル・シティ:李闘士男

一瞬、松山くんの前髪が乱れるときがあって、そのときだけどっきーんってした。
あとは漫画以上ではなかったのであった。ただ街中で聞いた女子の会話が面白かった。「デトロイトメタルシティって面白いらしいよ。観に行こうよ」 「えー、松山くんのヤツ?」 「そうそう、ほんとはフォークやりたいのにメタルやっちゃう人のはなし!」 ははははは、イエス渋谷系はフォークです!

ダークナイト:クリストファー・ノーラン

良いハリウッド! だった! (良いハリウッドは映画館から出てくるときに自分が超人になったような気持ちになります。ゴミ箱を蹴り飛ばしたくなります) いちばん好きなところは「俺の真似をするな」ってところ!  あと女の子の気持ちを読み間違っちゃうところ! ヒロイズムの滑稽さ・迂闊さに関する表現は前作に引き続き素晴らしかったと思うの。ジョーカーは病院から出てくるところまで最高だったにゃー。ラストにかけてはすこし残念。想定の範囲よりひとまわり小さな人物像であった。 こんなくらいの描き方じゃ、絶望にはまだ足りない。もちろん希望にも。でも、だからこその迂闊さですよ!とも思った。 それはチャーミングなことだなあって思います。

セックス・アンド・ザ・シティ:マイケル・パトリック・キング

キャリーは相変わらずひどい感じでしたがでもほんと気持ちはわかるよ。とりあえずウェディングドレスいっぱいきたい気分になりました。「SATCをください」ってパンフ売り場で聞いて、そうか、タイトル恥ずかしくて言えないひとはふつうにけっこういるのね。ってことを知り、ひとつ大人になった夏。

崖の上のポニョ:宮崎駿

こころの底から楽しみにしていたポニョ! ポニョ! ポニョ! 徹頭徹尾幸せにみちみちたフィルムでありました。 ひどいなあ、ずっとずっと泣いちゃうに決まっているじゃないか。神は細部に宿るというけれど、もうほんとすごい精度だと思う。 「千と千尋」の大好きなところが全編にいきわたったみたいな賛歌。帰り道、「なんで、わかるんだろう… なんで…」とぶつぶついいながら歩いた。 わたしたちの世界には「大好き」って気持ちがめぐってる。

マイ・ブルーベリー・ナイツ:ウォン・カーウァイ

初日に観ました。 香港から湿気をとったら蜃気楼が消えちゃった、みたいな喪失はあるのだけれど、だからこそカーウァイのドリーミンさが浮き彫りになってもいて、それはまさにすいーつ。この星にはいろいろなひとがいてみんな好き勝手に生きているよねっていうカーウァイのドライでやさしい視線が大好きよ。ジュードロウがそもそも大好きなのでもうそれだけでいいのかもしれなくもない、すいーつ。

いんでぃごなむーど

■1月のニブロールの公演後のポストトークで 「ものごとを思い出として歪めないであったことをあったままそのまま覚えていたい」 というような内容のはなしがでていたのだけれども、「それはまったくもってそのとおりである、というかずっとそう思い詰めて生きているもの!」と強くこころで頷いたことをきゅうに思い出しました。